
【べらぼう】てい(橋本愛)の丸屋とは?ほか…史実を元に時代背景や劇中作品など6月15日放送回を解説
吉原者として江戸市中に店を構えれば、生まれ育った吉原に対して、これ以上の恩返しはない……己の利益や野心を超え、江戸一の利者・蔦屋重三郎(横浜流星)がいよいよ日本橋への進出を決断しました。
喜多川歌麿(染谷将太)の「行きなよ、蔦重。何がどう転んだって、俺だけは隣にいっからさ」という言葉に力を得て、駿河屋市右衛門(高橋克実)に階段から蹴り転がされても立ち上がります。
いっぽう日本橋の店を売ろうとしている丸屋のてい(橋本愛)は、蔦屋耕書堂に恨みを抱き、一万両積まれても売りたくないとのこと。果たして蔦重の日本橋進出はどうなるのでしょうか。
他にも誰袖(福原遥)の間者ごっこや、四方赤良(桐谷健太)が巻き起こした天明狂歌ブームなど、今週も目まぐるしい展開でしたね。
それではNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第23回放送「我こそは江戸一利者なり」気になるトピックを振り返っていきましょう!
物語は一気に天明3年(1783年)に
確か前回は安永9年(1780年)だったと記憶していますが、いきなり3年ばかりすっ飛ばしましたね。
天明3年(1783年)と言えば、7月6日に浅間山で大噴火(天明大噴火、天明の浅間焼け)が起こり、およそ2万人の死者が出ています。
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成層圏まで舞い上がった火山灰が太陽光を遮り、いわゆる「火山の冬」をもたらしました。
これにより、前年から発生した天明の大飢饉(天明2・1782年~天明8・1788年)の被害が加速します。
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作物は実らず、食い詰めた農民たちが村を逃げ出して都市部へ流れ込み、社会的な混乱が起こったそうです。
江戸市中でも少なからず影響が出ていそうなものの、劇中では至って平穏?そうなので、物語は噴火以前の時期なのでしょう。
大河ドラマは歴史の授業ではないので、すべての事件を網羅する必要はないものの、当時の蔦重たちはどのように感じていたか気になるところです。
2ページ目 蔦重が須原屋市兵衛から受け取った『万載狂歌集』とは?