
エコだがお尻に厳しい…トイレットペーパーがなかった時代、日本人は何で拭いていたのか?
新型コロナウイルスが感染拡大した際に、SNS上で「トイレットペーパーが品薄になる」というデマが拡散しました。信じた人々の買い占めによって品薄状態が発生しましたが、デマはデマなので、実際には国内に在庫は豊富にあり、やがて品薄状況は解消しました。
ところで、「トイレットペーパーのなかった昔ってどうしていたんだろう」という疑問を抱いたことはありませんか?というわけで今回はトイレットペーパー前史をご紹介します。
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平安時代はサスティナブルだった
日本では、長い間紙は大変貴重だったため、使い捨てにしない用具として、貝殻や籌木(ちゅうぎ)と呼ばれる木片をトイレットペーパー代わりにしていました。
12世紀後期中葉(平安時代と鎌倉時代の端境期)の日本で描かれたとみられる絵巻である旧河本本『餓鬼草紙』の一図である「食糞餓鬼図」には、路上で童子が排便している場面が描かれており、実際に籌木を使っている様子を見て取る事ができます。
壮絶な世界…。飲食の飢えに苦しむ餓鬼道の世界をショッキングに描いた絵巻物「餓鬼草紙」
仏教の世界観において天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の6つの世界を六道(ろくどう)と言われており、このうちの「餓鬼道」は、飲食の飢えに苦しみ満たされることのない世界とされています。…
子供が高下駄を履いて大便が身体につかないようにし、手に籌木を持って踏ん張っている様子が描かれているのがお分かりでしょうか。これは、籌木を支えにして勢いよく排便すれば尻を汚さずにすむとしていたそうです。
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